競争の激しい市場で投資家のセンチメントを追跡
「DocSend なら、すぐに利用を開始し、めまぐるしいスピードで動く現代ビジネスに合わせて運用できます。手間なく導入して、アセットを安全な方法で共有し始めることが可能です。」
使用製品
DocSend、Dropbox
業界
製造業
規模
2~249 人
場所
カリフォルニア州サンディエゴ
課題:適切な関係者だけにアセットを共有
Kove のミッションは単純明快です。すなわち、サンディエゴ発の飲料メーカーとして、偉大な先輩企業に続く存在になることです。創業者のアレックス・モンテルバーノ氏とクリス・クラーク氏は、自社ブランドの価値を高めるために必要な経験を有しています。しかし、飲料市場は競争が熾烈です。同社が陳列スペースを巡って世界的なブランドと渡り合っていくためには、十分な資本が欠かせません。
Kove では、全社規模のストレージとして Dropbox を使用しており、販売業者向けのフォームから法的文書まであらゆるドキュメントを Dropbox に保存してきました。しかしピッチ資料を投資家に共有するとなったところで、新たな課題に直面することとなりました。創業者の 2 人は常に数百件に及ぶ案件に関わっていますが、ピッチ資料の PDF ファイルはいとも簡単に共有できてしまうため、自社の情報が簡単に部外者の手に渡る恐れがあったのです。
Kove の競合企業は同社と同じ投資家たちから資金を調達しているため、もし投資家経由で Kove の財務予測や業界インサイトにアクセスされた場合、Kove の優位性が失われる結果になりかねません。そこで、自社の知的財産(IP)が守られるような形でピッチ資料を共有できる手段が必要になったのです。
「自社が持つ優位性はどんなものでも守らねばなりません。もし自社のアセットが競合の手に渡ってしまったら、相手も当社と同じ優位性を得ることになってしまいます。」
解決策:ビジネスのスピードを損なうことなく安全にファイルを共有
クラーク氏は、長年にわたって Dropbox を愛用しており、同氏とモンテルバーノ氏は、Kove の創業当初からビジネス文書を整理する手段として Dropbox を使用してきました。ナチュラル食品やオーガニック食品の見本市「Natural Products Expo West」で Dropbox のスタッフを偶然見かけたクラーク氏は、IP の保護に関する課題について相談したところ、DocSend の仮想データ ルーム(VDR)を使ってみるようすすめられたといいます。
飲料業界は競争の激しい世界です。そして Kove が保有する IP の多くには、多大な時間と労力を費やして収集した業界のインサイトが含まれています。たとえば、同社の競合ブランドにベンチャー キャピタルがどのような投資をしてきたかを分析するとしましょう。この場合、Kove は関連するデータを収集、整理してスプレッドシートにまとめ、大規模な投資家ネットワークの投資ポートフォリオ マトリックスのどこに自社が当てはまるかを調べます。「もしその情報を単純に公開したとしたら、競合他社が入手して利用しようとするでしょう」とクラーク氏。「ですから、このような情報は他社の目には触れないようにしておきたいのです。」
そこで仮想データ ルームを使い始めたところ、財務諸表や業界関連の IP を安全な状態に保護しながら、特定の相手にはドキュメントへのアクセスを許可できるようになりました。また、ファイルの閲覧状況を追跡する機能も気に入っているといいます。「追跡機能にはとにかく驚かされました。この情報は本当に使えるぞ、と興奮しましたね」とクラーク氏は振り返ります。
ピッチ資料を PDF で送付するという安全とは言えない方法と違い、DocSend の VDR では、承認メールを受け取った相手だけにファイルへのアクセスを許可できます。またプッシュ通知とメールでリアルタイムのアラートを受け取れるので、特定のドキュメントに対する閲覧者のエンゲージメントを把握することも可能です。
この機能は、Kove が抱える別の問題の解決策にもなりました。投資家は、パッケージに目を通したと言いながら、初回のミーティングでは事業内容をあまり理解していないように見えることがあります。しかし DocSend があれば、「そうした場合に備えていろいろな資料を用意しておくことができます」とクラーク氏は話します。
Kove は別のソリューションも検討しましたが、料金面と実装の容易さで優れていた DocSend を選ぶのは自然な流れでした。「悩むまでもありませんでした」とクラーク氏。実際、48 時間とかからずに DocSend のインスタンスを立ち上げることができたそうです。
結果:閲覧者についてのインサイトが新たな武器に
Kove では DocSend の VDR を使用して、投資家との対話のファネルを作成しています。投資家と話をするとき、モンテルバーノ氏とクラーク氏は、相手がピッチ資料全体に目を通しているか、各スライドの閲覧にどの程度の時間をかけたかを正確に把握できます。このため両氏は、個々の投資家に合わせてプレゼンの内容を調整できるのです。
「何に関心を持っているかは関係者によってさまざまです」とクラーク氏は言います。「その情報をもとに、必要に応じてスライドの順番を変更して、それぞれの関係者に見てもらいたいスライドが適切な位置に来るように資料を調整できます。また、投資家が以前から抱いている疑問の答えがピッチ資料に書かれているにもかかわらず、当の本人が資料に目を通していないという場合もあります。この場合も、その事実がわかるだけで十分に有益です。投資家の位置付けを見直して、また新たな方法でアプローチすることができるからです。」
投資家と電話で話すときも、ピッチ資料を開いて投資家がどの部分の閲覧に時間を費やしたか確認しながら、適切に対応できます。その情報に基づいて、リアルタイムで会話の方向を誘導することさえ可能です。
「インサイトはそれだけで有益ですが、リアルタイムのインサイトとなれば、その価値は一層高まります。私たちにとって、間違いなく最も重要な情報だと言えるでしょう」とクラーク氏は語ります。
投資は長期的な取り組みであり、経済の先行きが不透明な状況であれば、投資サイクルはさらに長期化します。その過程で、投資家の代表に対して最新情報を簡単に提供できることには大きな意味があります。クラーク氏とモンテルバーノ氏は、最新情報を提供するたびに進捗を確認する投資家の様子をチェックできています。また DocSend の導入後、Kove のチームは、ドキュメントの共有は安全に行われていると確信を持てるようになったそうです。
「機密性の高いアセットへのアクセスはしっかり管理できていると確信したいのなら、DocSend がおすすめです」とクラーク氏は話します。
それを証明するのが Kove の成功です。資金調達が難しい 1 年だったにもかかわらず、Kove はリード投資家を発表しており、今後さらに多くの投資家を発表できる予定だとしています。同社の今後の事業拡大計画には、サンディエゴの複数のスタジアムとのパートナーシップが含まれており、これを実現するには大がかりな契約書レビューが必要です。同社はこの作業でも DocSend の VDR を使用する予定です。DocSend は、Kove が適切なパートナーを見つけ、飽和状態にある飲料市場に自社商品を売り込む一助となることでしょう。
「インサイトは何より重要です。相手がどのような人物で何に関心を持っているのか、十分な情報を得たうえで会話を進める準備ができます。」
クリス・クラーク氏Kove ブランド担当責任者