戸田建設株式会社
建設現場の物理サーバーをからクラウド ストレージに移行。
迅速なファイル同期と高度な検索性を生かして、社内外の関係者とスムーズな情報共有を実現。
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「建設工事では多くの課題や変更が発生するため、建設現場では迅速な情報共有が不可欠となります。Dropbox を導入したことで、多くの協力会社を含む社内外関係者とのリアルタイムなファイル共有が実現できました」
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使用製品
Dropbox
業界
建築
規模
1,000 人以上
場所
日本
課題:工事作業所ごとに導入してきた物理サーバーが障壁となり、社外関係者とのスムーズな情報共有が困難に
戸田建設は、創業 140 年を迎えたゼネコンです。建築、土木や都市開発、不動産、発電事業など幅広い領域で事業を展開し、着実に成長を遂げてきました。
戸田建設では、従来、図面や写真、工程表などの工事用データの編集と保管のため、物理サーバーを工事作業所ごとに導入していました。
建設工事では、設計監理事務所や協力会社など多くの関係者が、図面や各種ドキュメントの編集・確認を行います。これらのドキュメントは毎日更新されていますが、物理サーバーにアクセスできるのは主に戸田建設のゼネコン部門の社員だけでした。
「そのため、このような建設工事作業所に勤務するゼネコン部門の社員は、大容量の図面ファイルを圧縮し、メールや専用のファイル転送サービスで送り、社外向けのファイル ストレージを別途用意するなど、工事情報の共有に多くの手間とコストを費やしていました」
と、同社の生産システム推進 1 課の課長、池端裕之氏は話します。
建設業界では情報共有のスピードが重視されますが、戸田建設では社外関係者に図面などをメールで送る際にも、ファイル送信作業に手間がかかり遅れが生じていました。
さらに、この運用方法はファイル管理の煩雑化にもつながっていました。毎日 100 通近く届くメールの中には、図面が添付されたものも多々あり、どれが最新版の図面かを確認し、ファイルの圧縮解凍やパスワード保護解除を行い、工事内容ごとに分類されたフォルダに図面を保存する手間がかかっていました。
「建設工事では、図面の線を 1 本間違えただけで膨大なコストと手戻りが発生する場合があります。これを防ぐために、毎回、電話で『何時何分に送ったメールのどのファイルが最新か』を確認しなければいけませんでした」と、戸田建設で実際に建設現場を運営する作業所長、齋藤年広氏は振り返ります。
加えて、各現場の社員を悩ませていたのが、物理サーバー上のデータを誤って消去する操作ミスです。一度削除したファイルは簡単に復元できないため、古いバージョンのファイルから再度作成する必要があります。ミスが起こるたびに余分な作業が発生していました。
解決策:迅速なファイル同期と高度な検索機能を備えた Dropbox を採用
折しも、本社ビルの建替えに伴う仮社屋への移転が 2019 年 12 月に決まりました。この移転の準備を進める中で、以前からの課題を解決するという話題が持ち上がりました。
建設工事作業所のファイル サーバーのクラウド化に先立ち、仮社屋ビルへの移転をする内勤部門からクラウド化を進めることにしました。
これにより、情報共有の迅速化だけでなく、BCP の強化とファイル サーバー設置スペースの削減が実現され、その実施例を基に全国の工事作業所への適用を進めました。
なお、同社は以前から、社内ワーキング グループの情報共有などに Google ドライブを利用していました。ただ、「パソコン上のファイルとの同期が遅い」「アカウント登録の問題で、社外の多岐にわたる協力会社とファイル共有ができない」といった声が多くあったことから、建設工事に関する業務により適したものを模索していました。
「候補にしたのは Dropbox Business(以下、Dropbox)と他社のクラウド ストレージ サービスでしたが、検討を進めるうちに、両者は全く異なるサービスだと感じるようになりました。Dropbox は、複数人で共同作業する『机』のようなサービス、もう 1 つのサービスは、完成したファイルを格納しておく『引き出し』のようなサービスだと感じました。
協力会社とファイルの編集や共有を頻繁に行うという当社のニーズに合っているのは、前者でした」
と池端氏は振り返ります。
こうして同社は Dropbox を採用。共有や共同作業に不可欠なファイルの同期スピードと、ローカル フォルダと同様に扱える直感的な操作性が決め手になりました。
結果:Dropbox を全社標準の環境として導入し、協力会社とのやり取りなどにも活用
効率的かつ柔軟なファイル共有を実現
本格的な移行を開始してから約半年、同社の支店や既存の建築・土木工事作業所では、物理サーバーに保管していた図面や書類データを段階的に Dropbox へ移行してきました。また、新規着工の作業所では、Dropbox を標準として採用しています。ファイルを Dropbox に保管することで、自ずとファイル共有が活用されるようになりました。
また、主要な設計事務所や協力会社へ Dropbox ライセンスを貸与することで、工事に関わる社内外の全メンバーが業務遂行に必要な情報にアクセスできる環境を整えました。
「協力会社ごとに共有フォルダを作ることで、最新版の図面を共有する際のミスがなくなりました。また、ファイルを管理する手間も省けています」
と斎藤氏は述べています。
会議体ごとに Dropbox の共有フォルダを作成し、資料をまとめてそのフォルダへ保管することで、リモートでのウェブ ミーティングでも活用できるようになりました。
「ペーパーレス化が加速でき、書類を整える手間が省けています」
と話すのは、同社建築設備部の坂口慎治氏です。
さらに、ライセンスを貸与していない関係者にも、共有リンク機能や Dropbox Transfer を活用することで、必要なファイルを一括送信できるようになりました。
効率的かつ柔軟なファイル共有を実現
バージョン履歴の機能を使うことで、削除したファイルを簡単に復元できるようになりました。
情報検索の作業を高速化
ファイルの検索効率も大幅に向上しました。「以前と比べて、ファイルを探す作業が 3 ~ 4 倍速くなりました」と池端氏は強調しています。
すべてのファイルが 1 か所に保管されるようになり、Dropbox の高い検索性がより実感できるようになっています。
副次的な効果:Dropbox を活用することで、コロナ禍のテレワークの生産性を向上
テレワークへのスムーズな移行を実現
Dropbox の優位性は、コロナ禍においてもいかんなく発揮されました。
「スムーズにテレワークに移行できたことが、Dropbox の最大のメリットだと考えています」
と語るのは、同社国際支店管理部の青木優和氏です。
同社では Dropbox Paper を、リモートで働く社員のスケジュール管理やタスク管理、情報共有など、さまざまな形で活用し、コミュニケーションの活性化に役立てているそうです。
「Google カレンダーにもスケジュール管理機能はありますが、個人別のタスクまで管理することはできません。Dropbox Paper でその両方を管理することで、アプリ切り替えの手間や、電話による確認作業が削減でき、テレワークの生産性が向上しました」
と青木氏は述べています。
海外の拠点や作業所とのやり取りにも活用
Dropbox Paper は、時差がある拠点や作業所とのコミュニケーションにも威力を発揮します。
1 つのファイルに対し、各人が勤務時間内にコメントを書き込んでいけば、時間を合わせてミーティングを開催しなくても詳細なやり取りができるのです。
「コロナ禍でスムーズにテレワークに移行できたことが、Dropbox の最大のメリットだと考えています。Dropbox Paper で『今、誰が何をやっているか』を可視化し、テレワークの生産性を高めています」
国際支店 管理部 青木優和氏Dropbox 導入の主なメリット
高度な検索機能により、ファイル検索の効率が向上。フォルダ構成を工夫する手間も省けます。
Dropbox Paper で社員一人ひとりの状況を可視化。テレワーク中の社内コミュニケーションが活発になり、時差がある海外拠点や協力会社との情報共有も円滑になります。
スムーズな同期によって、図面などの大容量ファイルを共有した場合も、ファイルの変更内容が即座に反映。最新データの管理も容易に。